小平と小金井桜の仲間たち!
雪がどさっと降ったかと思えば急に暖かくなったり雨が降ったりと、ゆっくりと春の訪れを感じる今日この頃ですね。季節の変化を味わいつつ、桜の開花を楽しみにしている足達です。今回は、小平の桜をめぐる仲間たちをご紹介します。
ところで、このあたりで桜といえば名勝 小金井桜が有名ですが、場所はどこにあるかご存知ですか?「小金井公園」と答えた方は残念!小金井桜は、玉川上水堤に江戸時代に植樹された旧小川水衛所(小平市)~境橋(武蔵野市)の約6kmにおよぶヤマザクラの並木です。そして、その半分近くは小平市にあります。小金井市にも半分近くがあり、残りは西東京市と武蔵野市に少しずつ。名前こそ小金井ですが、小金井桜は小平市民にとってもかけがえのない財産なのです。
▲ヤマザクラは日本に自生する桜で、一本一本遺伝子が異なるため、開花時期や花・葉の色形も異なります。園芸種のソメイヨシノは接ぎ木で増やすため、すべて同じ遺伝子をもち、一斉に開花して後から葉が出てきます。ヤマザクラは花と葉が同時。豊かな個性を楽しめるのがヤマザクラの魅力です。
さて、小金井桜には、現在ナンバープレート(1~1112)がつけられています。そのNo.1があるのが、小平市内の小松橋と商大橋の間にある旧小川水衛所の近く。その少し小松橋寄りに「名勝境界」の小さな石碑が立っています。
▲名勝境界の石碑と小金井桜No.1
最初に桜が植えられたのは徳川吉宗の時代の元文2年(1737年)。幕府の命により、府中の名主・川崎平右衛門が、吉野や桜川などから山桜の名品を取り寄せ、農民たちが協力して植樹しました。
やがて多くの文人墨客が観桜に訪れるようになり、『江戸名所図会』や広重の錦絵に描かれ、庶民にも有名になります。明治時代には甲武鉄道で行楽客が多数訪れ、大正13年に国の名勝に指定。昭和初期までお花見の名所として賑わっていました。
名勝 小金井桜復活プロジェクト
そんな由緒正しい小金井桜ですが、近年は樹木の老齢化や、他の樹木の成長、五日市街道の交通量の増加等の環境の変化によって元気がなくなり、放っておけば近い将来失われてしまうという危機に瀕しています。そこで、小金井桜を復活させようという10年計画が平成22年度からスタートしました。
名勝に指定されている約6㎞のうち、まず整備モデル地区(小金井公園に近い小金井市内)でヤマザクラを被圧しているケヤキ等の剪定・伐採を行い、ヤマザクラの苗木を植樹します。このヤマザクラの苗木は、小金井桜の種から育てたもの、または小金井桜の里である吉野(奈良県)・桜川(茨城県)からのもの、あるいは小金井桜の苗木を植樹した北上(岩手県)からの里帰り桜に限定し、そのために皆で協力して苗木を育てています。
2010年6月 小金井桜の種拾い
小平市のボーイスカウトと小金井市のガールスカウトも参加して、種拾いをしました。
▲これがヤマザクラの実。かわいいサクランボです。
▲熟した実を集めました。ちょっとブルーベリーに似ています。木のNO.ごとに袋に分け、後日種を洗って土の中に保存しました。
2011年2月 小金井桜の種蒔き
ぶるべーと一緒に畑に種を蒔きました。
2011年2月12・13日 小金井桜大復活祭
武蔵小金井駅前の広場フェスティバルコートでおまつりをしました。小平市のぶるべー、小金井市のこきんちゃん、奈良のせんとくん、北上のおに丸くんと、小金井桜にゆかりのあるゆるキャラたちが大集合!各地のおいしいものや特産品も販売され、食べたり歌ったり踊ったりの楽しい一日でした。せんとくんのダンスはさすがに上手でした!ぶるべーもがんばっていましたよ。
2012年3月3日 育苗ファーム開所式
そしてつい先日、小金井市本町に新しく「名勝 小金井桜育苗ファーム」が開所しました。昨年蒔いた小金井桜の種から発芽してスクスクと育った苗木や、桜川からいただいた苗木を約450本移植。2~3年後には玉川上水に植樹できるほどに大きくなるそうです。
たくさんの人によって育てられたヤマザクラの苗をファームに植えました。桜川からもプロジェクトメンバーの小学生が苗を持ってかけつけてくれました。
名勝 小金井桜復活プロジェクトについて詳しくは→名勝 小金井桜の会
小金井橋付近の小金井桜の見どころ
小金井橋周辺にある小金井桜の見どころを紹介します。小金井桜歴史散歩の後は、小金井公園に寄ってソメイヨシノのお花見もいいですね。
▼小金井橋付近(小平市側)にある「名勝 小金井櫻」の碑と案内板
▼その近くに植樹された「北上・ヤマザクラ」は、かつて小金井桜の苗木1200本を植樹した岩手県北上天勝公園からの里帰り桜。小金井橋の周りにはこのほかに、吉野山、桜川、小金井と計4本のヤマザクラがシンボルツリーとして植樹されています。
▼小金井橋に近い海岸寺にある「小金井桜樹碑」(小平市有形文化財)は文化7年に建立されたもの。海岸寺の山門も小平市有形文化財です。
▼明治16(1883)年に 明治天皇が小金井堤に観桜に出かけてこられたことを記念して植樹された「行幸松」
小金井桜119
小平第三小学校の近くにあるNo.119の桜は、樹齢100年を超す大樹で、毎年見事な花を咲かせます。玉川上水の小金井桜並木に面した小平三小では、4年生の総合の授業で小金井桜について学んでいます。
小平市のその他の桜の見どころ
喜平町桜通り
喜平橋から警察学校前までのこの通りは、桜のトンネルが見事です。毎年のさくらまつりには露店がずらりと並び、たくさんの人出でにぎわいます。桜の下で踊る三小ソーランはとても迫力があります。
このほか、小平中央公園や中央公民館、多摩湖自転車遊歩道(狭山・境緑道)など桜の見どころはたくさんあります。卒業・入学シーズンの学校の桜もきれいですよね。これからお気に入りの桜をみつけて、開花から桜吹雪まで、花の季節を味わいつくしましょう♪素敵な桜をみつけたら、ぜひ教えてくださいね!
春の桜と花を楽しむイベント
4月7日(土) ハナテン春の花まつり たけのこ公園 10:00~15:00(雨天翌日) 小平グリーンロードイベント情報
4月7日(土) ふるさと村の花まつり 小平ふるさと村 10:00~15:00(雨天翌日)
4月7日(土)・8日(日) 夜桜観賞 嘉悦大学 17:00~21:00
4月13日(金) 里桜・小金井桜観賞会 小金井公園・玉川上水 10:00~12:00 小平グリーンロードイベント情報
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